本棚に入らない、空きスペースがない…同人誌を片付けたいとき自分に問いかけてほしい10の考え方
新しく購入した同人誌が本棚に入らない、もう空きスペースがない……同人誌をたくさん購入する人であれば「片付けに関するお悩み」をお持ちの方も多いのではないでしょうか。どうしたら同人誌を片付けられるのか、手放さないといけないとしたらどう向き合えばいいのか?同人誌を片付けたいときに自分に問いかけてほしい10の考え方についてお話したいと思います。
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同人誌ってなかなか手放せない、むしろどんどん増えていく……
私は同人誌を作るのも好きですが、読むのも大好きです。過去のコミケやコミティア、赤ブー主催のイベント、有志の方によるオンリーイベントなど、同人誌即売会と名のつくイベントには何度も足を運んできました。
一般参加するときは、購入した同人誌をトートバッグにぎゅうぎゅうに詰めて帰路につくのが最高に幸せな気持ちになれます。おかげさまで自室の本棚やクローゼット、ベッドの下など、あらゆる場所に同人誌が存在しています。
たくさんの同人誌に囲まれて幸せなのですが、部屋の収納スペースにはどうしても限界がありますよね。新しく購入した新刊を読み終わっても、本棚に入り切っていない同人誌が結構あったりします。本棚の隙間に無理やりねじ込んでいたり……。
新刊をしまう場所がないからそろそろ片付けなくちゃなあと思っても、すでに過去に購入した大量の同人誌が占拠していてとても入りきらない……でも苦労して手に入れた大切な同人誌なので、どれも手放せないんですよね。
片付けられないのは同人誌に宿っている「思い出」のせい
同人誌を手にすると、手に入れたときの記憶や思い出がよぎることってありませんか?私はわりとあります。どんなに古い本でも、手に入れた時の記憶ってなんとなく覚えています(通販で購入する場合だと思い出はあまり無いかもしれないですが)。
同人誌の片付けができない理由のひとつとして、そのときの思い出が宿っているからなんじゃないかと思っています。
あらゆる片付けの本でも言われていますが、思い出の品の処分って難しいですよね。同人誌も単なる書籍ではなくて「思い出の品」であると考えると、コミケで長時間並んで苦労して手に入れた記憶とか、憧れの作家さんから直接購入できて嬉しかった記憶とか、色々な思い出があるからなかなか片付けられないのかもしれません。
同人誌を片付けたいときに自分に問いかけてほしい10の考え方
さまざまな想いの詰まった同人誌を片付けたいときはどうすればいいのか。私なりに、こう考えたら片付けが進むんじゃないか?と思う10の考え方を紹介していきます。
全部には当てはまらないかもしれませんが、どれか1つでも参考になれば幸いです。自問自答することで「この本は手放していいかも」と思える同人誌が見つかり、片付けができるかもしれません。
1.この同人誌は「自分の中で今一番アツい作品(ジャンル)」であるか?
二次創作の本であれば、自分が今ハマっているジャンルではないのなら手放す対象にしてもいいと思います。
過去に好きだったものは思い出として心にしまっておき、手元に置いておくのは今のあなたが好きなものだけにする。その方が気持ちが良い気がしませんか?その同人誌は「今の自分がアツい作品あるいはジャンルだろうか?」と問いかけてみてくださいです。
昔のあなたには必要なものだったかもしれないけど、今のあなたにとっても必要ですか?当時と同じ熱量で接しているのなら良いのですが、そうではないなら手放してもいいかもしれません。
大切なのは「今」の自分が必要とする本だけ残すことです。
2.「この同人誌は○○だから所持しててもいい」というマイルールを作る
残す・残さないの基準は人それぞれだと思います。自分にとって必要な同人誌の基準とはなにか、自分なりのルールを考えてみましょう。
私の場合は、以下の要素が当てはまる本は残す対象になります。好きだから購入した、のはもちろんですが、自分が同人誌を作るときに学びを得られた本などを残す傾向が強いなと感じます。
- ・自分が同人誌を作るうえで参考になる部分がある本(コマ割り、ストーリー展開、演出、見せ方など)
- ・装丁が凝っている本(箔押し、カバー付き、デポス加工、特殊紙、ホログラムなど)
- ・ジャンル関係なく尊敬している作家さんの本
- ・何度も読み返している本……など
手放すのはどれかを選ぶよりも何を残すか?で選んでいき、当てはまらなかったものを手放すと、片付けがスムーズに進むと思います。あなたにとって残しておきたい基準の同人誌は何でしょうか?ぜひ考えてみてくださいね。
3.もう交流していない、かつて知り合いだった人の本を手放しても誰も責めない
同人活動をしている方だと、昔仲良かった方からもらった本とか交換した本とかってありませんか?今はもうSNS等で繋がっていないし、交流も途絶えてしまってる。けど昔は仲良くしてもらっていたし……そうした方の本って手放しづらいですよね。
でも今の自分の興味がなくなってしまっている、もう読むことがないのであれば、大変申し訳ないなとは思いますが手放してしまってもいいと思います。手放したところで誰も責めません。「ねえ、あの時あげた本まだ持ってる?」と聞き返してくるような人は、10年以上同人活動をしていて今まで見たことないですから。
あのときは素敵な本を読ませてくれてありがとうございました…!と、心の中でお礼の気持ちを伝えたら、思い切って手放しましょう。
4.手にとったときに苦い記憶が流れてきたら手放した方がいい
同人誌を手に取るとその本を手にした当時の記憶や思い出が呼び起こされる、と冒頭でお話しましたが、記憶や思い出は同人誌を片付ける際の「残す・残さない」の判断材料になります。
同人をやっていると楽しい記憶だけではなく苦い記憶もある、という人もいらっしゃると思います。心無い人のせいで界隈が炎上騒ぎになったり、トラブルに巻き込まれたりとかって結構あります…そうしたマイナスの気持ちが呼び覚まされる本をもし持っているとしたら、残しておかない方がいいです。
嫌な記憶を呼び起こしてしまうものは自分にとって健全ではないです。自分の身の周りにあるものは、気持ちのいい記憶が呼び起こされるものを残していくようにしたいです。同人を趣味で楽しんでいる人なら尚更、好きなものは良い記憶でいっぱいの方が心地よいと思います。
5.他に必要としている人がいたら譲ってもいいと思えるか?
この同人誌を他に読みたい人がいたとしたら、譲っていいと思えるか?、を考えてみてください。「私より好きな人に持っていてもらうほうがいいかもしれない」「一度読んだし私が持っている必要はないかも」と思えたら、手放していいかもしれません。
例えば、手放そうと考えている作品のジャンルに遅咲きでハマった人がいて、過去の同人誌を血眼で探し求めているかもしれないですよね。自室で眠っているよりかは、今欲しがっている人に読んでもらえたほうがいいかもしれないな、という気持ちで手放すと良いかもしれません。
「いや、この本は墓場まで持っていく、誰にも譲る気はない!」と強い気持ちを持っているのであれば、これからも大切にしてくださいね。
6.どうしてずっと持っていたいのか理由を考えてみる
その同人誌を購入したのは何かしら理由があってのものだと思います。作家さんのことが好きで読みたかったから、サンプルを見て面白そうだと思ったからなど。もし一度読み終わって満足した後、それでも持っていたいと思える理由が思いつかなかったら、手放す判断をしてもいいと思います。
読んでみてすごく参考になる表現があるなとか、すごく心に響くセリフがあるから何度でも読み返したいとか、特殊加工が素敵だなとか、所有したいと思う何かしらの理由があると思います。
所有していたい理由がぱっと思いつかないのであれば、限られた収納スペースに残しておかなくてもいいかもしれませんよね。
7.もしその同人誌を失くしてしまったら「またお金を払ってでも買いたい」と思えるか?
仮にその同人誌を失くしてしまったとして、もう一度お金を払って買いたいと思えるか自問自答してみてください。どうしても手に入れたい!と思えるなら、あなたにとって必要な本なのだと思います。
同人誌は(サークルさんにもよりますが)発行部数が少なく、希少性の高いものです。手に入れるのも一苦労なので、本当に失くしてしまったら買い戻せないかもしれませんが、もし「一回読めたからいいかな」といった気持ちになっていたら、手放す判断材料になりそうです。
8.背表紙で内容が分かるくらい何度も読み返しているか?
私が長年所持している本は、何度も読み返している本が多いです。どんなに薄くても、背表紙に何も書かれていなくても、それがどういう内容か判別できます。それだけ自分にとって必要なもので、大切にしている本であるとも言えます。
あまり読み返さないけど希少な本だから持っていたい、という所有欲もあると思いますが、その分限られた収納スペースを圧迫する要因のひとつになっています。それを理解したうえで持っていたい、という場合は全然構わないのですが、そうではないのなら見直す必要がありそうです。
一度読んだきりでもう読み返すことがないなと思う本であれば、手放す候補にいれていいかもしれません。
9.自分に所持されることがこの同人誌にとって本当に幸せだろうか?
急に頭のおかしい話をしてすみませんが、たとえば同人誌を擬人化してみたとして、「この子は自分に所有されていて幸せだろうか?自分はこの子(同人誌)を愛してあげているだろうか?」と考えてみてください。
もしずっと暗い押し入れの中や段ボールにしまわれたままで、あなたに読まれることもなく眠り続けているのが、この子にとって本当に幸せなのでしょうか?この子を必要としている別の人に譲ったほうがいいかもしれない。駿河屋などの中古ショップに手放せば、本当に欲しい人の元に行けるかもしれない。
例えがちょっと意味わかんないって方もいると思いますが(説明が下手ですみません)、視点を変えて考えてみるのもいいかもしれないです。
10.未来の自分は同人誌を片付けられるだろうか?
今はまだ若いから大丈夫だと思っている人も、歳を取ればどんどん体力がなくなっていきます。同人誌に限らず片付けることって結構体力が必要なんですが、歳を取った未来の自分がこの大量の同人誌を片付けられるのか?を想像してみてください。
昔友人と見に行ったとある紙の展示会で、紙ができるまでの工程を見たんですがその際に、「紙ってもともと木から作られているんだね。そりゃ同人誌も重たいわけだよ、だって木だもんね。いつもイベント帰りは大量の木を抱えて帰ってるってことなんだなあ」って話をしたことを度々思い出してしまいます。同人誌は薄いけど、重いんですよね。
一冊一冊は大したことはなくても、何十冊何百冊となると結構な重量になってきます。処分したいと思った時に自分の身体が動かない、なんてことも有り得るので、片付けたいと思い立った日から、ぜひ始めてみてほしいです。
まとめ:同人誌を片付けることは「今の自分にとって本当に必要な同人誌を選ぶこと」
私は同人誌が大好きなだけの一般人で、片付けアドバイザーでもないので、全部が全部役に立つものではないかもしれないですが、自分が実践していることや考えていたことを記事にまとめてみました。少しでも同人誌の片付けが進むきっかけになったら幸いです。
同人誌を片付ける、手放すのはやっぱり心苦しいかもしれませんが、「今の自分にとって本当に必要な同人誌を選ぶこと」と考えて、一冊一冊と向き合ってみてくださいね。
同人誌を片付けたいとき自分に問いかけてほしい10の考え方をおさらい!
- 1.この同人誌は「自分の中で今一番アツい作品(ジャンル)」であるか?
- 2.「この同人誌は○○だから所持しててもいい」というマイルールを作る
- 3.もう交流していない、かつて知り合いだった人の本を手放しても誰も責めない
- 4.手にとったときに苦い記憶が流れてきたら手放した方がいい
- 5.他に必要としている人がいたら譲ってもいいと思えるか?
- 6.どうしてずっと持っていたいのか理由を考えてみる
- 7.もしその同人誌を失くしてしまったら「またお金を払ってでも買いたい」と思えるか?
- 8.背表紙で内容が分かるくらい何度も読み返しているか?
- 9.自分に所持されることがこの同人誌にとって本当に幸せだろうか?
- 10.未来の自分は同人誌を片付けられるだろうか?
ここまでお読みいただきありがとうございました!